寒くなると起こりやすい高齢者のトラブルや事故と対策
寒さが増してくると高齢者に起こりやすいトラブルや事故には以下が考えられます。
低体温症
低体温症は、長時間寒い場所にいることで体温が低下し、熱の産生量よりも体温低下が上回ることで発症します。
身体の内部の深部体温が35度を下回ると意識障害やけいれんなどを起こし、さらに低体温が進行すると最悪の場合呼吸の停止や心停止により死に至ります。基礎疾患のある方、高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。
室温管理に気を配る
低体温症は急激に発症することは少なく、多くの場合は緩やかに進行するため気付きにくくなります。気が付けば意識障害を起こしていることもありますので、寒い時期に室温が低い状態をつくらないことが何よりの予防策です。また、低栄養や低血糖も原因となりますので栄養のある食事を摂る、糖尿病を患っている方の血糖値のコントロールなどが必要です。
手足の冷え
体温を調節する自律神経の働きは、高齢者になると衰えやすくなります。その結果体温調節がスムーズに行えなくなり寒い季節には手足の先の末梢までなかなか温まりにくく、いつまでも「寒い」という感覚が消えなくなります。その結果、夜も眠れなくなるほどの冷えに悩まされる場合や免疫力の低下をまねく場合もあり、心身の機能がさらに衰えやすくなります。熱の産生量は低栄養とも関係があり、栄養状態が悪くなると手足の冷えを自覚しやすくなります。
日常生活の把握が重要
手足の冷えは末梢まで温まりにくいことが特徴です。室温の管理だけでなく、入浴で体を温め血行を良くする、適度に日光を浴びて自律神経を整える、栄養のある食事を摂り熱の産生量を上げる、運動をして体を温めるなど普段の生活から対策していくことが重要です。