発熱がある
ご高齢者は体温を調節する機能が低下するため、病気になっても発熱しないことが少なくありません。微熱でも軽症とは限らず、熱が出たときは重症になっていることもあります。ご高齢者の発熱で多いのは、
感染症(風邪・誤嚥性肺炎・尿路感染症など)です。ほかにも、
脱水症・膠原病・褥瘡(じょくそう)などによる発熱の可能性があります。
急に高熱が出たときは、原因を判明させてから治療をすることが重要です。安易に解熱剤を使用するのではなく、まずは医療機関に相談をしましょう。発熱とともに意識障害やけいれん、呼吸困難などがある場合は、ただちに救急車を呼んでください。
また、同様にご高齢者は体温調節機能の低下により、厚着や布団の掛けすぎ、暖房の効きすぎ等によって、
身体に熱がこもり微熱が出ることがあります。室温などの環境を改善しても平熱より1 ℃ 以上高い場合は「発熱」と考え、ほかの症状がないか確認しましょう。
ご高齢者は一般的に体温が低い傾向にありますが、平熱には個人差があります。そのため、普段から定期的に体温を測って平熱を把握しておくことが大切です。体温は起床直後に低く、食後や入浴後に高く出ることがありますから、食前や食間に1日3回ほど測るとよいでしょう。