● 認知症の方の熱中症予防のポイントは?
認知症の方の場合、水分補給や室温コントロールなどを自分で管理することが困難です。
「言うことを聞いてくれない」と困っているご家族のお話を聞くことがよくありますが、自分ではできないのだということを理解することが必要。
“できない”前提から、熱中症対策のサポートをどのように行うかを考えなくてはなりません。
認知症の方の熱中症対策としてやっておきたいことをいくつかあげてみます。
・室内の暑さ対策
「何度言ってもエアコンを消してしまう」「冷房ではなく暖房をつけていることに気づかない」といったこともよく聞きます。
ひとり暮らしの認知症の方ですと、窓も閉め切って、うだるような暑さの中で過ごしていることがあり、さらに熱中症のリスクが高まります。
そうした方の場合、これから夏季にかけては訪問介護の回数を増やすことも検討してください。
たとえば、朝晩2回のところ、日中もう一度ヘルパーさんに入ってもらうようにする。
そうすれば、もしエアコンを消してしまっても、室内の温度が上がり切る前に次の人に対応してもらうことができます。
避暑も兼ねて、デイサービスやショートステイの回数を増やすのもおすすめです。
ケアマネジャーに相談すれば、熱中症が心配な時期にあわせたケアプランを検討してもらえるでしょう。
臨時的に訪問介護を増やす場合に注意しなくてはならないのが、ルールづくりと情報の引き継ぎです。
エアコンの温度を上げたり下げたり、服を着せたり脱がせたり、人によって対応がバラバラだと、ご本人も戸惑いますし、適切な体調管理ができません。
室温設定、着せる服の種類、水分摂取の量やタイミングなど、共通のルールをつくって、介護に関わる人全員に周知できるようにしましょう。
何か理由があってルール以外の対応をした場合には、その理由が次の人にもわかるようにしておくこと。
情報が断絶すると、次に入ったヘルパーさんが適切な対応ができないかもしれないからです。
共通の介護ノートをつくって、連絡事項を記載してもらうようにすると、わかりやすいと思います。