.介護における接遇の5原則 2/5 株式会社リベルタ

2024.04.04

・言葉遣い

<正しい敬語と相手に配慮した表現を使う>

正しい敬語と相手に配慮した表現の例
介護をするうえで「〜してあげる」という表現は、利用者との間に上下関係を生むので使わないほうがいいとされています。この表現を使うと、利用者は「自分は面倒を見てもらっているんだ」とプライドを傷つけられたと感じたり恐縮したりすることがあります。 利用者のために何かをする際は、上の例のように「〜いたします」「お〜します」のように、謙譲語を使用するようにしましょう。 また、排泄介助や入浴介助のようにデリケートな内容については、ほかの利用者に聞かれたくないものです。利用者が気まずく感じないよう言葉を選ぶ、周囲に聞こえない大きさで話しかけるなどの点にも気を配りましょう。
tips|外部の人との会話では、同僚に対して敬語を使わない
とくに新社会人が間違えやすい敬語の使い方として「社外の人との会話で自社職員に対して尊敬語を使ってしまう」ミスがあります。
・NG例
「看護師さんに血圧を測定していただいたあとに、入浴の準備をおこないました」
・OK例
「看護師が血圧を測定したあとに、入浴の準備をさせていただきました」 外部の人との会話においては、上司や先輩であっても同じ組織の人間として自分と同じ立場となるため、尊敬語は使いません。尊敬語と謙譲語の使い分けに自信がない人は、一度調べてみることをおすすめします。

<短くても丁寧な言葉遣いを心がける>

短くても丁寧な言葉遣いの例
介護職員の方から「認知機能が低下していると長い敬語は伝わりづらいので、短い言葉を使っている」という意見を聞くことがあります。上の例では「〜食べる?」と聞いていますが、いくら短くわかりやすいからといって、年配の方への聞き方として好ましくありません。 「〜を召し上がりますか?」と敬語で尋ねてうまく伝わらない場合は、「〜を食べますか?」や「〜にされますか?」などの丁寧語に切り替えてみましょう。これなら丁寧さを保ちながらも、短く簡単な言葉で意味もわかりやすくなります。 さらにそれでも意味が伝わりづらければ、言葉を短くするのではなく、ジェスチャーを取り入れましょう。例えば食事を指差してから口に運ぶ動作を加えることで、視覚的にも理解がしやすくなり効果的です。

<状況に応じてクッション言葉を使う>

クッション言葉の使い方の例
相手に質問や意見を言うとき、または反対に相手の頼みを断るときなどは、なかなかストレートには伝えづらいものですよね。そういったときは「クッション言葉」を使うと良いでしょう。具体的な内容を伝える前に、次のような言葉を挟むことで気遣いが感じられ、相手も受け入れやすくなります
相手に依頼するとき 「恐れ入りますが」 「お手数をおかけしますが」 「ご面倒をおかけしますが」 「折り入ってお願いがあるのですが」
相手に質問するとき 「失礼ですが」 「差し支えなければ」 「お尋ねしたいことがあるのですが」
相手に意見するとき 「失礼かもしれませんが」 「申し上げにくいことですが」 「厳しいことを言うようですが」
相手の依頼を断るとき 「あいにくですが」 「心苦しいですが」 「申し訳ございませんが」 「お力になれず申し訳ございません」
クッション言葉の例

・表情

人の第一印象は、出会って3秒で決まるとも言われています。わずか3秒ですから、会話の内容ではなく相手の表情や態度、身だしなみなどの目から入る情報が非常に大切です。 とくに高齢者は相手の表情や態度からさまざまなメッセージを読み取りますので、話すときは笑顔を心がけましょう。いつも穏やかな笑顔で接することで、安心感や信頼感を与えることができます。 また、人と話していないときの表情にも注意が必要です。もし利用者が職員に何かを頼もうとする際に、怒り顔の職員、疲れた顔の職員、微笑んでいる職員がいたら、話しかけやすいのは「微笑んでいる職員」ですよね。 常に気をはっている状態は、慣れないうちは疲れてしまうかもしれません。しかし介護施設では、職員一人ひとりの態度や表情がその事業所全体の空気を作ります。業務中につい無表情になってしまったとき、このことを思い出してみてください。

好感度の高い表情のポイント

・口角を上げる
口の両端が上がっていると、明るくにこやかな印象になります。
・目元まで笑う
マスクなどをしていると、口は笑っていても無表情に見えてしまいます。その場合は目元で笑顔を伝えましょう。目を細く目尻を下げることで笑った印象になります。
・相手の目を見て話す
会話中に適度なアイコンタクトを取ることで、相手のことを見ていると安心感を伝えることができます。
一覧に戻る TOPページに戻る