寒い時期の健康リスクから高齢者を守るためには、日々の介護で気を付けたい5つのポイントがあります。
- 1.部屋の湿度を保つ
- 2.マスクを着用しうがい手洗いを徹底
- 3.適度な運動を心がける
- 4.水分とタンパク質を摂取
- 5.入浴時の事故には特に注意
特に、湿度や温度が変わりやすい家庭では健康リスクが高まるため、高齢者が健康に過ごせるような対策を心がけましょう。
ポイント1.部屋の湿度を保つ
冬場の乾燥は、感染症や肌トラブルのリスクを高めます。特に、暖房器具を使用している部屋で長時間過ごす際は加湿が大切です。空気が乾燥するとウイルスが浮遊しやすくなるだけでなく、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下してしまいます。インフルエンザ予防のための適度な湿度は、50~60%。カビ発生の原因となるため、湿度は高くなりすぎないように気を付けましょう。
ポイント2.マスクを着用しうがい手洗いを徹底
寒い時期に流行する感染症を予防するためには、手洗いや手指の消毒が何よりも大切です。トイレのあとや食事前の手洗いは、ノロウイルス食中毒の予防に効果的。インフルエンザ予防のためには、外出後にしっかりと手洗いするよう心がけましょう。また、マスクの着用は他者へ感染を広げないだけでなく、のどの保湿効果も期待できます。
さらに、うがいには科学的なインフルエンザの予防効果は証明されていないものの、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれています。抵抗力が弱まると感染症にかかるリスクも高まるため、高齢者・介護者ともに、冬場はマスク着用とうがい手洗いを徹底しましょう。
【参考】
首相官邸「インフルエンザ(季節性)対策」
ポイント3.適度な運動を心がける
関節痛を予防・改善するためには、体を温める必要があります。寒い時期には家にこもりがちですが、なるべく体を動かし、血行を促進するよう心がけましょう。悪天候で外に出られない時には、室内でかんたんなストレッチをするのもおすすめ。腕や肩、足首など回すのも効果的です。
ポイント4.水分とタンパク質を摂取
のどが渇きやすい夏に比べ、冬場は水分補給の回数が少なくなりがちです。特に、暖房器具を使った部屋で長時間過ごしていると、冬場でも脱水症状を引き起こす可能性があります。脱水は脳梗塞や心筋梗塞の引き金にもなり得るため、特に注意が必要。冬場でものどの渇きを感じる前に、コップ1杯程度の水分を摂取するよう心がけましょう。冷たい水は飲みづらいという時には、温かい白湯もおすすめです。脱水を防ぎつつ、体を温める効果も期待できます。
また、タンパク質の摂取は免疫力低下を防ぐだけでなく、低栄養の予防にもつながります。皮膚はタンパク質から合成されているため、タンパク質の適切な摂取は肌トラブル改善にも効果的であるといえるでしょう。
ポイント5.入浴時の事故には特に注意
冬場の浴室は、高齢者の不慮の事故や溺死のリスクが高い場所です。ヒートショックを起こさないためにも、入浴前には浴室や脱衣所を温め、居室との気温差を小さくする必要があります。湯温は熱すぎない41℃以下に設定し、入浴時間は10分前後にするのがポイント。心臓への負担を軽減するためにも、入浴前の飲酒は控え、いきなり肩までつからず半身浴から始めるようにしましょう。