介護職に就こうと考えている人が知っておきたい「介護サービスの接遇」について。基本的なマナーから、利用者とその家族、同僚と良好な関係を築くためのポイントまで解説します。
1.介護における接遇
・そもそも接遇とは?
「接遇(せつぐう)」とは、そもそもどんな意味でしょうか? 接遇を辞書で調べると、「もてなすこと」「応接すること」といった意味が出てきます。よく似た言葉に「接客」がありますが、接客はお客さんを相手に応対することを指し、「もてなす」意味は含まれていません。
介護現場で使う「接遇」の意味とは、
「おもてなしの心を持って利用者や関係者と接すること」です。
人とのコミュニケーションでは、話す内容や言葉遣い以外にも、
表情や態度、身だしなみなどによっても相手の印象は大きく変わりますよね。接遇では、こういった非言語のコミュニケーションも含め、おもてなしの心を持って接することが大切だとされています。
・介護で接遇が重視される理由
介護現場において接遇が重視される理由は、
「利用者の安心安全を守り、優れたサービスを提供するため」です。
介護業務は人命にも関わる仕事です。安心安全な介護を提供するためには、しっかりとした接遇をもって
利用者との間に信頼関係を築くことが重要です。関係性が築けていないと身体をあずけるのに恐怖を感じたり、介護拒否につながったりする可能性があります。同様に、大切な家族の介護を安心して任せてもらうために、
利用者の家族から信頼を得ることも大切です。
さらに
職員同士の関係においても、接遇は重要です。人間関係が良くない職場では、報連相(報告・連絡・相談)などの必要なやりとりが適切におこなわれず、業務に支障をきたしてしまう恐れがあります。また、利用者や家族にも職場の空気感が伝わってしまうでしょう。
社内・社外を問わず接遇を心がけることで、優れた介護サービスが提供でき、結果的に利用者やその家族、職員の満足度向上につながります。